2024年度インクルーシブ防災事業報告会

令和6年3月8日、別府市インクルーシブ防災事業報告会が開催されました。本報告会には、長野市長をはじめ、オンライン参加を含めた他県の自治体防災関係者が多数出席し、会場には50名を超える参加者が集まりました。

別府市では、市制100周年を迎え、「ともに生きる条例」が施行されてから10年が経過しました。本条例は「親亡き後の課題解決」と「災害時の要配慮者支援」の2つの柱を持ち、これが現在のインクルーシブ防災の取り組みへと発展しています。

令和6年度には、BCP(事業継続計画)を策定し、病院関係者による夜間避難訓練や南部地区の避難所運営訓練、台風を想定したマイタイムライン作成、気象台との意見交換会などが実施されました。また、要配慮者の個別避難計画の作成も進められており、今後の防災活動の発展が期待されています。

第1部:「被災地の教訓を学び、合理的配慮の確認と課題の共有」

能登半島地震の支援活動の報告や、別府市の取り組みについて共有されました。NPO法人さくらネットの石井布紀子氏は、別府市のインクルーシブ防災モデルの可能性について報告し、開発が進められている「安否確認アプリ」について紹介しました。このアプリは、要配慮者の所在を迅速に把握し、適切な支援につなげることを目的としています。

サイボウズ株式会社の柴田哲史氏は、能登半島地震における自治体の課題を報告しました。自治体職員が避難所の立ち上げを十分に行えず、情報共有が困難だったことが問題として挙げられました。避難所や孤立集落の「見える化」を進めるため、自衛隊と連携し、タブレットを活用した避難所の情報共有や、物資の配送・避難支援を行いました。

意見交換では、長野市長と福祉フォーラムの河野氏が登壇し、インクルーシブ防災の課題と展望について議論しました。河野氏は、2016年の熊本・大分地震を契機に始まった別府市の防災の歩みを振り返り、地域住民と連携しながら避難訓練を重ねてきた経緯を述べました。長野市長は、市民と行政の連携の重要性を強調し、今後「安否確認アプリ」の開発を進め、全国的なモデルケースとして展開する考えを示しました。

本意見交換を通じて、能登半島地震の教訓を踏まえた防災対策の重要性が再確認されました。特に「安否確認アプリ」の開発は、要配慮者支援の新たな可能性を示しており、今後の発展が期待されています。